建設業許可の発注証明書とは?広島の改訂内容と準備のポイントを解説

「建設業許可に必要な契約書や注文書がない」と悩んでいる広島の建設業者の方は多いでしょう。契約書などが準備できない場合は、発注証明書で対応可能です。

しかし、広島では令和8年3月に発注証明書が様式改訂されたため、注意が必要です。

この記事では、発注証明書の基本だけでなく、広島の令和8年3月の改訂内容や準備のポイントをわかりやすく解説します。

広島の建設業許可で提出できる発注証明書とは?

発注証明書とは、受注者に対して工事を発注した事実を発注者が証明する書類のことです。発注証明書は、建設業許可の要件である経営業務の管理責任者や、営業所の専任技術者として認められるための経験を証明するために提出できる資料のひとつになります。

しかし、発注証明書を経営経験や実務経験を証明するための資料として提出できるのは例外的です。それでは、本来提出が必要な経験を証明するための資料とはどのようなものなのでしょうか。

ここからは、建設業許可の要件である経営業務の管理責任者や営業所の専任技術者について、それぞれに必要な経験や経験を証明するための資料を解説します。

なお、建設業許可の要件の全体像については「建設業許可の6つの要件とは?広島で取得するために知っておくべきポイント」の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

経営業務の管理責任者に必要な経験と資料

経営業務の管理責任者として認められるためには、基本的には建設業に関して5年以上の経営業務の管理責任者としての経験が必要になります。たとえば、法人であれば取締役などの役員としての経験、個人事業主であれば事業主としての経験が該当します。

そして、経験業務の管理責任者としての経験を証明するためには、法人の登記事項証明書、確定申告書、契約書や注文書を提出するのが原則です。

なお、経営業務の管理責任者の要件や満たすためのケースについては「建設業許可の経営業務の管理責任者(経管)とは?要件と4つのケースを解説」の記事で詳しく解説しています。

営業所の専任技術者に必要な経験と資料

営業所の専任技術者として認められるためには、取得したい建設業許可の業種についての10年以上の実務経験が必要になります。たとえば、塗装工事業の許可を取得したい場合には、塗装工事業について10年以上の実務経験が必要になります。

10年以上の実務経験を証明するためには、一級施工管理技士などの国家資格の免状、指定学科の卒業証書、契約書や注文書などを提出するのが原則です。

ここまでの内容を、広島のケースを前提に一覧表にまとめましたので、参考にしてください。

証明したい経験提出が必要な書類(原則)提出書類の必要年数
経営業務の管理責任者の経験・法人の登記事項証明書
・確定申告書
・契約書
・注文書
直近の1、3、5年分が必要
※左記の書類を複数組み合わせて必要な年数分を揃えてもよい
営業所の専任技術者の実務経験・一定の国家資格の免状等
・卒業証明書
・契約書
・注文書
直近の1、3、5年分が必要
※免状等以外の場合は、左記の書類を複数組み合わせ必要な年数分を揃えてもよい

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建設業許可で発注証明書が使えるのはどんなとき?

ここまで見てきたとおり、経営業務の管理責任者や営業所の専任技術者に必要な経験を証明するためには、法人の登記事項証明書や契約書などを提出するのが原則です。それでは、例外的に発注証明書の提出ができるのは、どのようなケースなのでしょうか。

発注証明書が提出できるのは、原則として提出が求められている資料が提出できないケースです。たとえば、経営業務の管理責任者に必要な5年以上の経験を登記事項証明書や契約書で証明できない、営業所の専任技術者に必要な10年以上の実務経験を契約書や注文書で証明できないケースが該当します。

したがって、必要な年数分の経験を契約書や注文書などで証明できない場合に、不足している年数分の経験を証明するために発注証明書が提出できます。言い換えると、発注証明書は本来提出するべき書類の代替としての役割を果たしているといえるでしょう。

発注証明書に記載する内容

発注証明書に記載する内容は全国一律ではなく、都道府県ごとに取り扱いが異なります。たとえば、広島の場合は所定の様式が用意されており、主な記載内容は以下のとおりとなっています。詳しくは、こちらをご確認ください。

  • 発注者(証明者)に関する事項
  • 受注者(被証明者)に関する事項
  • 工事に関する事項

なお、発注証明書の受注者は、発注証明書によって経験を証明する必要がある人になります。つまり、発注証明書を経営業務の管理責任者の資料として提出する場合は、受注者は経営業務の管理責任者になる人でなければならない、ということになります。

広島の発注証明書は令和8年3月の様式改訂でどう変わった?

広島では、令和8年3月5日に発注証明書の様式が改訂されました。改訂の主なポイントは次の2つになりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

改訂のポイント1:発注者の署名または押印が必要になった

1つ目のポイントは、発注証明書に発注者の署名または押印が必要になったことです。改訂前は、発注証明書に発注者の署名や押印は必要がありませんでしたが、今後は発注者に署名または押印をお願いする必要があるため、事前に発注者に連絡しておくのがよいでしょう。

改訂のポイント2:工事内容が確認できる資料の添付が原則必須になった

2つ目のポイントは、工事内容が確認できる資料の添付が原則必須になったことです。改訂前は、発注証明書に資料を添付することは必須ではなく、主に発注者への連絡や立入検査によって確認が行われていました。

令和8年3月5日の改訂で工事内容が確認できる資料の添付が原則必須になったことで、これまで以上に資料の確認や準備を入念に行うことが重要になったといえます。発注証明書に添付する工事内容が確認できる資料とは、たとえば建設業法で作成と保存が義務付けられている帳簿や、工事の工程表などが該当するでしょう。

なお、原則必須としているのは、広島県の公式ホームページに「添付できないやむを得ない理由がある場合を除いて」と記載されているためです。しかし、やむを得ない場合とある以上、添付がなくても認められるケースは限定的であり、基本的には書類の添付がないと難しいと考えた方がいいでしょう。

項目改訂前(〜令和8年3月4日)改訂後(令和8年3月5日〜)
発注者の署名・押印不要署名または押印が必須
工事内容が確認できる資料必須ではなかった工事を裏付ける書類(工程表・帳簿等)の添付が原則必須

広島で正確な発注証明書を作成するためのポイント

令和8年3月5日に行われた広島の発注証明書の様式改訂のポイントについては、これまで見てきたとおりです。今後、建設業許可の申請で発注証明書を準備する必要がある場合には、これまで以上にしっかりと準備して対応する必要があるでしょう。

もし、準備不足で発注証明書に不備があった場合は、建設業許可がでないだけでなく、虚偽申請になる可能性もあります。それでは、不備のない正確な発注証明書を作成するためには、どうすればよいのでしょうか。

不備のない正確な発注証明書を作成するためには、発注証明書に記載できる工事の特定が重要なポイントといえます。ここからは、発注証明書に記載できる工事を特定して、正確な発注証明書を作成するための方法について、具体的に解説します。

過去の工事実績を正確に洗い出す

まずは、発注証明書に記載する過去の工事実績を正確に洗い出す必要があります。発注証明書に記載するべき内容を満たせるように、工事の内容や工事期間などをひとつひとつ丁寧に確認しましょう。

とくに、広島の場合は発注証明書に記載できる工事について直近の1、3、5年前という基準があるため、工事期間の確認は重要なポイントのひとつになります。たとえば、工事期間が直近の2年前の工事については、広島が定めている直近の1、3、5年前の工事という基準に該当しないため、発注証明書に工事実績として記載できません。

工事実績の洗い出しで工事期間が特定できない工事については、次のステップである工事内容が確認できる資料の有無によって、発注証明書に記載できる工事か特定できるでしょう。

なお、過去の工事実績を洗い出すためには、通帳の入金履歴を確認する、請求書の控えを確認するといった方法が考えられます。

工事内容が確認できる資料の有無を調べる

過去の工事実績がひと通り洗い出せたら、工事ごとに工事内容が確認できる資料があるか調べましょう。広島では令和8年3月5日の様式改訂で発注証明書に添付資料が必要になった以上、工事内容が確認できる資料の有無を調べることは、もっとも重要なポイントだといえます。

契約書、注文書や請書がある場合は、そのまま経験を証明するための資料として提出できるため、発注証明書を準備する必要はありません。契約書、注文書や請書がない場合は、発注証明書を作成する必要があるため、添付資料として工程表や帳簿など工事内容が確認できる資料を入念に調べましょう。

工事内容が確認できる資料の有無が調べられたら、発注証明書に記載できる工事が特定できます。最初のステップで洗い出した工事のうち、工事内容が確認できる仕様があり、かつ、工事期間が広島が定める直近の1、3、5年前という基準に該当する工事のみが、発注証明書に記載できる工事といえるでしょう。

発注者に連絡して署名や押印の了解を得る

これまでのステップで発注証明書に記載できる工事が特定できたら、工事の発注者に連絡をして署名や押印がもらえるか確認しましょう。令和8年3月5日の様式改訂で発注者の署名や押印がが必須になったため、発注者に応じてもらえなかったり発注者と連絡が取れなかったりした場合は、該当する工事を発注証明書に記載できないため注意が必要です。

発注証明書を作成する

最後に、発注証明書を作成します。これまでの3つのステップで特定した発注証明書に記載できる工事から必要な工事をピックアップして、発注証明書を作成しましょう。

そして、作成した発注証明書の内容を発注者に確認してもらったうえで署名または押印をもらい、工事内容を確認できる資料を添付して完成となります。

最後に、広島のケースを前提に発注証明書に記載できる工事とできない工事を一覧表にまとめましたので、参考にしてください。

発注証明書に記載できる工事
(以下をすべて満たす工事)
発注証明書に記載できない工事
(以下にひとつでも該当する工事)
・契約書、注文書、請書がない
・直近1、3、5年前の工事に該当する
・工事内容を確認できる資料がある
・発注証明書に発注者の署名や押印がもらえる
・契約書、注文書、請書がある
・直近1、3、5年前の工事に該当しない
・工事内容を確認できる資料がない
・発注証明書に発注者の署名や押印がもらえない

広島の建設業許可は行政書士に相談するのがおすすめ

広島では令和8年3月5日の様式改訂により、以前よりも正確な発注証明書の作成が求められるようになったことは、これまで見てきたとおりです。

不備のある発注証明書を作成して建設業許可の申請をすると、許可がでないだけでなく、虚偽申請に該当するリスクもあります。また、許可を取得するためには発注証明書以外にもさまざまな書類を準備する必要があり、自分で進めようとすると大きな負担になる場合もあります。

ここまでの記事を読んだ広島の建設業者の方のなかには、自分で建設業許可申請を進めることに不安を感じ、どうしたらよいのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。少しでも不安を感じている方は、行政書士に相談するのがおすすめといえます。

行政書士は、建設業許可を始めとする許認可の専門家です。行政書士に相談すれば、発注証明書を含め建設業許可に必要なさまざまな書類を不備なく正確に準備して、スムーズに手続きを進めてくれるため、安心できるでしょう。

まとめ

今回は、広島で令和8年3月5日に様式改訂された発注証明書について、改訂の内容や正確に作成するためのポイントについて解説しました。

発注証明書は、建設業許可に必要な契約書などがない場合に代替として提出できる資料です。しかし、令和8年3月5日の様式改訂によって、以前よりも厳格に作成することが求められるようになったため、作成には十分な注意が必要です。

不備のある発注証明書は虚偽申請に該当するリスクにもなります。建設業許可の申請をスムーズに安心して進めるためには、専門家である行政書士に相談するのがおすすめといえるでしょう。

行政書士広島もみじ法務事務所は、建設業許可を専門とする行政書士事務所です。発注証明書の様式改訂への対応も含めて、許可に必要な準備や手続きを一括してお任せできます。初回相談は無料ですので、まずはお問い合わせから始めてみてはいかがでしょうか。

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